「逃げてもいい」ということを誰も教えてくれない
※こちらは過去記事を加筆したものになります。
「楽に生きる」のは案外簡単なことなんじゃないか、ということを最近よく考える。
テレワークが普及してから同じように感じている人はきっと少なくない。楽に生きるというのは、ただ「嫌なことから逃げればいい」のだから。
同時に、私は感じていることは「嫌だと感じることができない人」が多くいるということ。そして、そのようなタイプは「逃げてはいけない」「逃げられない」と少なからず思っていること。逃げるのはダメだと思い込んでいるから、「逃げる」という選択肢を持つことができない。
実際に、パンデミックが起こってからというもの、自殺者数が過去5年で最小になったという結果が報告されている。前年比で約20%減少した。
この数字には、とてつもなく大事なことが記されているのではないかと思う。
彼女(彼)らは、一時的に「逃げる」ことができたのだ。これまで必死に我慢していた、嫌な職場や、嫌な学校や、嫌な環境から半強制的に逃げることができた。やっとの思いで解放されたのだ。
どうして、私たちは「逃げる」ことをそこまで重く捉えてしまうのだろう。「嫌なことをやめる」ことや「逃げる」ことは決して悪いことじゃないはずなのに、世の中は我慢や耐えることを美徳としているし、あなたも少なからずそう思っているのではないだろうか。
1980年代、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズは「パラノとスキゾ」という概念で一斉を風靡し、思想家・評論家の浅田彰の著書『逃走論』では、この「スキゾ」のことを「逃げる人」と定義している。
さて、もっとも基本的なパラノ型の行動といえば、《住む》ってことだろう。一家をかまえ、そこをセンターとしてテリトリーの拡大を図ると同時に、家財をうずたかく蓄積する。妻を性的に独占し、産ませた子どもの尻をたたいて、一家の発展をめざす。このゲームは途中でおりたら負けだ。《やめられない、とまらない》でもって、どうしてもパラノ型になっちゃうワケね。
これはビョーキといえばビョーキなんだけど、近代文明というものはまさしくこうしたパラノ・ドライヴによってここまで成長してきたのだった。そしてまた、成長が続いている限りは、楽じゃないといってもそれなりに安定していられる、というワケ。ところが、事態が急変したりすると、パラノ型ってのは弱いんだなァ。ヘタをすると、砦にたてこもって奮戦したあげく玉砕、なんてことにもなりかねない。
ここで《住むヒト》にかわって登場するのが《逃げるヒト》なのだ。
コイツは何かあったら逃げる。ふみとどまったりせず、とにかく逃げる。そのためには身軽じゃないといけない。家というセンターをもたず、たえずボーダーに身をおく。家財をためこんだり、家長として妻子に君臨したりはしてられないから、そのつどありあわせのもので用を足し、子種も適当にバラまいておいてあとは運まかせ。
たよりになるのは、事態の変化をとらえるセンス、偶然に対する勘、それだけだ。とくると、これはまさしくスキゾ型、というワケね。
私たちは「我慢」や「一貫性」や、「ぶれない」こと、「何事も続けること」という考えを教わり、それが良しとされてきた。
そして、「逃げる」=「悪」という考えが刷り込まれている。逃げてもいいんだってことを、誰も教えてはくれない。ただ、この考え方は「環境の変化に弱い:パラノ型」の特徴でもある。
パンデミックが起こり、これから不況が始まると言われている中で、環境の変化に対応できない考え方をもっているのはとても危険だ。だから、私はもっと多くの人が逃げることを自分に許してあげればいいと思うし、YouTubeでもそのような配信をしてきた。
それは「自分勝手な生き方」なんじゃないかと抵抗感を感じる人もいるかもしれない。
だけど、自分に余裕のない人間の方が、自分勝手で傲慢になってしまうものだ。心に余裕のできた分だけ、人にも優しくなれる。自分に余裕のある人だけが、自分以外の誰かのことを想うことができる。
利己主義を徹底的に追求したら、利他主義にいたってしまうものだ。
そして、もうひとつ私が自殺者数の数字から思ったことは、私たちはある種の「一体感」を感じていたのではないか、ということ。
パンデミックにより「死」が身近になって、みんなが同じ恐怖を感じることで「一体感」を感じ、安心感が生まれたのではないかと思う。
パンデミックは、自分が社会から孤立しているのではないか、という恐怖を和らげてくれたのではないだろうか。みんなが同じ時間、同じように家にいる。その安心感が「一人じゃない」という思いを感じさせてくれたのだ。
そんなことを考えながら、私は「誰もが一人じゃないと感じられる逃げ場所をつくりたい」と強く思い、今も活動を続けている。
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