孤独になれない人は「寂しく」生きていく
孤独になれない人は「寂しさ」を感じ、なにかで埋めようとする。
わたしは今ヨーロッパにいる。まずはロンドンで数週間過ごし、今はドイツのフランクフルト近辺に滞在して早2ヶ月となる。ヨーロッパにひとりで来るのは初めてで、価値観を揺るがすような衝撃なことばかりで新鮮だ。
とくに意識が日本とはまったく違う。街に出ればよくデモを目にするし、薬局で売っている化粧品には「ヴィーガンコスメ」がたくさん並んでいる。ロンドンでは今まさにストライキが盛んに行われている。環境のことや政治のこと、自分たちの生活をよりよくするために一人一人が考え、声をあげ、行動をしている。
それは個人の幸福だけではなく、社会や子供たちのため、そして動物や自然のことなど多岐にわたる。個人の幸福や権利のことですら声をあげる人が少ない、むしろ声をあげれば非難されてしまう日本に比べたら、どれほどその光景が衝撃的なことか想像に難しくないと思う。
そしてドイツにきて一番驚いたのは「男女混浴文化」だ。わたしがいる街ヴィースバーデンはドイツ屈指の温泉保養地でもあるので、必ず温泉には入りたいと思っていた。が、どこを見ても混浴なのだ。
ヨーロッパにはヌーディストビーチが各地にあるが、そのヌーディズム(裸体主義)の発祥の地となったのがドイツ。
わたしが行った温泉では、今年のGGI(ジェンダーギャップ指数)ランキング6位であるドイツの、女性に対する意識をまじまじと感じることができてさらに衝撃だったが、それを語り出すと長くなるので今日は書かない。( 体験談はYouTubeで話してます。)
「裸になればみな同じ人間。階級など関係ない」
ドイツは長いこと政治によって自由を制限されてきた過去がある。自分の意見を大っぴらに言えず、買い物や旅行も自由にできないような生活があった。それが衣服からの解放や自由や自然回帰を求めるヌーディズムとなり、温泉やサウナの混浴文化につながっている。
裸になればみな同じ人間。階級など関係ない。そして性別だって関係ない。
そう思わせてくれる空気がここにはある。
ドイツを含めたGGIのトップ10はすべてヨーロッパが占めている。
男女平等の世界がここにはある。
私たちは女である以前に人間なのだ。裸であろうと服を着ていようとそれは変わらない。人間の尊厳を、誇りや個人の自由や意思を、どんな状況であろうと誰であろうと犯していいわけがない。
ここにいるとそんな当たり前のことを思い出させてくれる。
日本では性被害に遭うと、挑発的な服装している方が悪い。お前が誘ったんじゃないか?露出をするということはそういうことだ。と、なぜか被害者が責められ二次被害を受ける。最近起こった韓国のDJSODAさんの痴漢被害もまさにそうだった。
このような日本とヨーロッパの大きなギャップを感じる度に、わたしは孤独を感じてしまう。ここで生まれていたらどれだけ良かったのだろうと。女性である前に人として尊重され、被害に合えばみんなが助けてくれて声をあげてくれる社会とは、どれだけ幸せなのだろうと。叶わない想像をしてしまう。
だけど孤独になることはいいことだ。
「孤独と寂しさは違う」とハンナ・アーレントは言った。
“孤独”とは自分自身と一緒にいること。自分と一緒にいられない人が“寂しさ”を感じ、一緒にいてくれる人を求める。だから自己と対話ができない。“孤独”にならなければ、人はものを考えられない。“孤独”こそ現代社会に失われているもの。
ヨーロッパに来てその環境や文化の違いに衝撃を受け、わたしは孤独になった。朝方まで眠れずに昼までベッドから出られない日々が続く。塞ぎ込んでしまい出かける気にもならない日もある。だけど孤独にならなくては、これからどうしていけばいいかも考えられない。
私たちはどうしたいのか、どう扱われたいのか、どう生きたいのか。
どんな人生を、本当は生きたかったのか。
一人の人間として、女として、日本社会で制限された自由を超えて、女だからこうすべきだと思い込まされている慣習を、これまで当たり前だと信じこまされてきた価値観を、ぶっ壊して、どう生きたいのか自分と対話し、考えていかなくてはいけない。
自分がどうしたいのかは誰も教えてくれないし、他人に答えを求めてはいけない。自分の生き方を他人に決めさせてはいけないし、ネットやSNSにはその答えはのっていない。孤独になれない人は「寂しさ」を感じ、なにかで埋めようとする。
わたしはここにきて孤独にはなったが、寂しさを感じたことは一度もない。
恋人が欲しい。結婚したい。子供が欲しい。老後が心配。
そう望むのは結構。だけど本当にそれはあなたのしたいことなのか。寂しさを埋めるためのただの「手段」になってはいないか。もしそうなら、それが手に入ったとしてもその寂しさはこれからも埋まることはない。
現実から、自分から、目を背ける人はずっと寂しさを感じて生きていく。
だからまず私たちは孤独になって、自分と対話するしかない。
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