私が好きになった男
久しぶりに人を好きになった。実に7年ぶりくらいだ。人を好きになるのは苦しみが伴うことが多いけど、私の場合は自分にもまだこんな気持ちが残っているのか...と、ただただ嬉しかった。
自分の恋愛の話を書いたことはない。人様に見せれるもんじゃないし人間の好きなんて感情はすぐに移り変わるもんだから。過去の自分の文章を読み返した時に赤面するのは嫌なので、これまでは絶対に書かないようにしてきた。
だけど今回はあまりにも衝撃的だったので、恥ずかしいけど少し書きたいと思う。
出会いは旅先の東北。お互い拠点は関東だけどたまたま東北で出会い、2回しか会ったことがないのに一緒にいるととても安心した。
いつも隣を見ると、女神のように美しく微笑んでいる彼の横顔がそこにあって、元々そういう顔なのか?と見る度に不思議に思っていた。
だけど、ふいに人でも殺してきたかのような凍えたような表情をする時があった。
その2日の間に色んなことを話した。話を聞いていると、女神のような笑顔からは想像できないほどの過酷な幼少期を過ごしていたことを知った。とても傷ついていて心底自信のない人だった。
男はみんな自信がない。だから多くの男性は、自信を持たせてくれそうな女を求める。強い女よりすぐに支配させてくれそうな受け身な女性や、トロフィーみたいに見た目のいい女を求めたりする。優越感を感じさせてくれるからだ。
そんな付け焼き刃な自信は幻想だとしても、一時的に虚しさを忘れられるなら彼らは必死で何でもする。幻想が解けたらまた次の幻想へ。限度がない。そうして、自分と向き合うことから全力で逃げ続ける。
私が好きになる男は、自信がなくてもそこから逃げずに懸命にもがいている男だ。
男の欲望に優しい男性優位社会。男を欲望でコントロールするこの社会。インスタントに楽になる方法が世の中にはたくさん溢れているというのに、人生かけて葛藤しているその姿は、見ているだけで愛おしくて悲しくて涙が出そうになる。