美しい死への憧れ
死に方が決まれば、生き方が定まる
阪本明日香
2025.05.11
読者限定
昨日のセッションで「死に方が決まると生き方が定まる」というような話をした。一体どんな話をしているんだと思われるかもしれないが、これは葉隠の一節だ。
「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」
まだ葉隠を読んだことがないので、この名言にどれほどの深い意味が込められているのか詳細まではわからないが、話をしている途中に私自身そういう感覚で今まで生きてきたということにふと気がついた。
若い頃から死から逆算して物事を決める癖がある。仕事を辞める時も、海外に出る時も、何か挑戦する時も、これを選ばなければ私はあとで後悔するか否かで無意識に決めている。ほとんど迷うことがなく、思い立ったら行動していることが多い。
なぜ迷いがないのかというと、人は死ぬ直前にやったことよりも「やらなかったこと」を後悔するようになっているからだ。そのため私自身は今のところ後悔というものをあまり知らない。
それは意思決定にとどまらず、アイデンティティーにも大きく影響していて、私と言う人間をカタチ作っている。
以前とある人にこんな質問をされた。